資料1

アーク溶接材料を対象としたPRTR排出量等の算出方法

アーク溶接は,被覆アーク溶接棒,フラックス入りワイヤ,ソリッドワイヤ,ティグ溶接材料,サブマージアーク溶接材料などを用いて金属同士を溶接する工程です。溶接工程において,溶接材料の大部分は溶着金属となり,製造品搬出(溶接物)となります。

溶接材料に含まれる指定化学物質の環境中への排出として,溶接時に発生するヒューム,スラグ及びスパッタ並びに残材があります。

ヒュームは大気中に排出された後,冷却されて落下します。その後,集められたヒュームは廃棄物(粉じん)としての移動となり,地面に落下し放置されたヒュームは土壌への排出となります。ヒュ−ムの廃棄物としての移動量と土壌への排出量が把握できる場合は,工程図の例1に基づいて算出してください。把握できない場合は,工程図の例2に基づいて,すべてを大気への排出として算出してください。

スラグ,スパッタ及び残材は廃棄物(鉱さい)としての移動となります。


【指定化学物質の例】

クロム及び3価クロム化合物(以下,Cr),ニッケル(以下,Ni),マンガン及びその化合物(以下,Mn)及びモリブデン及びその化合物(以下,Mo)

【工程図】

【例1】ヒュームの廃棄物としての移動量と土壌への排出量が把握できる場合



【例2】ヒュームの廃棄物としての移動量と土壌への排出量が把握できない場合



注)事業所敷地内で埋立処分する場合には,産業廃棄物に関する法律,都道府県及び市町村の関連条例など,法令で定められた許可が必要です
1)屋外で溶接する場合などスラグ及びスパッタをすべて回収できない場合には,土壌への排出も考慮してください
2)残材を有価物として売却する場合は, 「製造品としての搬出」としてください。
3)廃棄物のすべてあるいは一部を事業所敷地内で埋立処分する場合 注)は,「廃棄物の埋立処分としての排出」としてください。



【年間取扱量の算出】
銘柄毎に,指定化学物質α(Cr,Ni,Mn及びMo)の年間取扱量(トン/年)を算出し,対象取扱量以上かどうかを判断します。指定化学物質の含有率は化管法に準拠したMSDSに記載されています。


指定化学物質αの年間取扱量(トン/年) =

(銘柄Aの年間使用量×指定化学物質αの含有率%)÷100

(銘柄Bの年間使用量×指定化学物質αの含有率%)÷100+……

対象取扱量が溶接材料以外の取扱量と合計し,5トン(平成13年度及び14年度のみ)未満,又は1トン/年(平成15年度以降)未満であれば,化管法としての届出は不要です。

ただし,スラグ及びヒューム中には「6価クロム化合物」及び「ニッケル化合物」が含まれる場合があります。これらの物質は特定第一種指定化学物質であり,対象取扱量が溶接材料以外の取扱量と合計し,0.5トン以上である場合,化管法としての届出が必要となります。

しかし,スラグ及びヒューム中の「6価クロム化合物」及び「ニッケル化合物」の含有率は極めて少なく,年間取扱量が溶接材料のみである場合,Cr及びNiを含む溶接材料の使用量が年間約1,500トン以下であれば,届出は不要です。

年間取扱量を含めた代表的な溶接材料における算出例を資料4に示します。


【算出手順】

 溶接工程における指定化学物質の排出量,移動量の算出の手順は次のような流れで行います。



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